事業概要
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演劇博物館 舞台芸術・芸能関係映像のデジタル保存・活用に関する調査研究事業
古典芸能から近現代演劇、舞踊に至る多様な舞台芸術・芸能を収録した記録映像は、個々の上演の実際(作品の全体像および演出、演技、装置、照明等の諸要素)と上演当時の文化的・社会的状況を伝える重要な文化資源であると同時に、演劇学・映像学における学術的価値は計り知れません。しかしながら保存が各劇団や上演主体に委ねられているため、デジタル化がなされないまま経年劣化の危機に晒されているものも多くあります。文化資源の保護と学術調査の深化のためにデジタル化と長期保存の方法を確立することは喫緊の課題です。
早稲田大学演劇博物館は、平成26年度に文化庁美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業「映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究」に採択され、以降、平成29年度まで4年間にわたり「舞台芸術・芸能関係映像のデジタル保存・活用に関する調査研究事業」に取り組んできました。
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、平成26年度に文化芸術振興費補助金(美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業)(2次募集)に採択され、「舞台芸術・芸能関係フィルムのデジタル保存・活用に関する調査研究事業」を行なってきました。当事業の主たる目的は舞台芸術・芸能関係の記録映像に適した保存媒体や保存方法を見出だし、デジタル化と長期保存の方法について、現時点で実現可能な一定の方針を打ち出すことにあります。また、その活用方法についてもモデルプランを作成し、上記の指針とともに各劇団や施設に対して提案し、貴重な文化資源でありながら残存率の低い舞台芸術・芸能関係の保存と活用を促進し、未来への継承を推進していくことが目指されます。